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Salmiakki入門:好みが分かれるフィンランドの味をやさしく解説

おそらく、あの動画をご覧になったことがあるでしょう。フィンランドを訪れた人が小さな黒いひし形を渡され、それについて役に立つ説明は何もないまま、顔が崩れていく様子を撮影されるものです。 これはフィンランド流のいたずらですが、少しフェアではありません。撮る側はこの味とともに育ってきたのに、食べる側は地図をまったく持たされていないからです。 この記事が、その地図です。 🧂 サルミアッキとは、いったい何でしょう サルミアッキは、もうひとつ材料を加えたリコリスです。その材料がサルミアック塩、一般には塩化アンモニウムとして知られるものです。秘密はこれだけです。ふつうのリコリスは甘く、根の風味があり、ほのかにハーブを思わせます。そこにサルミアックを加えると、別のことが起こります。舌の上に鋭く、塩気のある、乾くような感覚が広がり、そのまま残るのです。 この感覚は、よく収れん性という言葉で説明されます。濃い紅茶や若い赤ワインを口にしたときの渋みと同じ、タンニンに近いものです。ポテトチップスのような意味での「塩辛さ」ではありません。口をぎゅっとつかまれるような味、と言ったほうが近いでしょう。 名前は、その由来に正直です。Salmiakki はスウェーデン語の salmiak から来ており、さらにさかのぼるとラテン語の sal ammoniacus、つまり「アモンの塩」に行き着きます。この化合物が最初に採れたとされる、古代エジプトの神殿にちなんだ名前です。ヘルシンキのお菓子売り場が、エジプトの鉱物にローマの名前をつけたものを、静かに並べているわけです。 ⚗️ 薬局のカウンターから ここから先が、ほとんどすべてを説明してくれる部分です。 塩化アンモニウムは、お菓子のために発明されたものではありません。薬でした。去痰薬として胸のつかえを楽にする働きがあり、19世紀のヨーロッパの薬局では、咳や気管支炎の薬として出されていました。リコリスの根のエキスもすでに薬局の定番の材料で、喉の痛みを和らげるほか、隠したい味をうまく隠してくれる点でも重宝されていました。 この2つを合わせると、患者が最後まで飲み切れる咳の薬になります。フィンランドの作家 Jukka Annala は、まさにそう推測しています。塩味のリコリスは、自分たちで薬を作っていた薬局で生まれ、いつのまにかお菓子屋へ抜け出していったのだ、と。商業生産は1930年代には始まっており、フィンランド初の工業生産のロットは1930年に登場しました。フィンランドだけでなく、ノルウェーやオランダでも作られていました。 その歴史の名残をいちばんはっきり伝えているのが、今も売られている小さな缶です。1951年、Colliander 夫妻という2人の化学者が、ヘルシンキのハーガ地区で塩味のリコリスのトローチを作り始めました。薬局にまとめて卸し、スタッフがお客さんの分を量って、飾りのない白い紙袋に入れて渡していたそうです。ブランド名は Apteekin Salmiakki、文字どおりには「薬局のサルミアッキ」という意味です。レシピは1951年から変わっていません。 国民的なお菓子が、いまも昔ながらの白衣を着ているのです。 🖤 フィンランド人が本当にこれを愛する理由 フィンランドの人になぜ好きなのかと尋ねても、味の分析が返ってくることはまずありません。返ってくるのは思い出です。 ひとつには、これが大人になるにつれて好きになっていく味だということがあります。サルミアッキは、大人になると卒業する子どものお菓子ではありません。大人になっても手放さず、そのうえ、だんだん強いものを好むようになるお菓子です。その過程のどこかで、あの鋭さは試練ではなく、安心できる味に変わります。大人の舌がブラックコーヒーを欲しがるようになったり、リコリスのように黒いライ麦パンに塩をのせたくなったりするのと同じです。...

投稿日 投稿者 Soposopo 0件のコメント